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なんだかふと思い出した。最後の定期演奏会の後の飲み会で後輩と話して。その後輩は散々私を悩ませた1人だ。なんだかんだ今は、話す事が出来る友人には戻ったのではないかなと思っている。後輩くんは、私の事を彼の同級生で新入生の子にいい先輩でしょ、例の先輩。ふられたんだけど。と笑って紹介してくれた。笑い話までに昇華できたなら、いいのかな。とか思っていた。

それで、もう1人の後輩。先輩やめるの?と声をかけてきて。そやねぇ、と言うと戻りたくなる様な場所にしますね。と彼も話せるくらいになってよかった。冗談好きのただの後輩になった。

ほぼ泣きかけで声かけてきてくれた先輩は缶バッジを手に、これあげる。お前なんでやめるんや、どうしてや。って本気で眉を八の字にして目には涙を溜めて良い先輩もったな、なんて考えて。普段ふざけたおすけど、どこまでも後輩思いな先輩の人柄がよくでてて、こちらまで何故かつられて泣きそうになった。理由を話している時もずっとうなずいて相槌をうってくれていた。やさしい先輩。

その後に来た先輩は、牛丼おごってくれた先輩。いや、多分来たんじゃなくて、自分から会いにいったんかな。飲み会の後だったように思う。なんか、凄く凄くこの先輩と話していたときが一番つらかった。優しくて諦めた様な本当は、いてほしかったなとぽつぽつと呟くような普段に比較すると小さな声で凄く目が離せなくなるような顔をしていた。人の目を普段見て話す私もこの時ばかりは、全然目をあわせられなかった。あまりに直視するには辛すぎる表情だった。自分の痛みとして考えてくれていたんだな、と思って泣きたかった。今だって先輩に無条件で頼りたくなってしまって自制心を働かせて踏みとどまっているくらい。

その後、皆で2次会に行こう、という話をしていて。同級生の苦手な人がいるから、私はカラオケ班の方に行こうとしていた。しかし、女子後輩で中でも可愛がっていた後輩ちゃんが、先輩ついてきてください、とまるで小動物みたいな断ったら死んじゃいそうな顔で頼まれて自分の事は2の次で2次会に参加した。それでも最初だけ。席が運悪く、例の同級生と近く、後輩ちゃんも話せる先輩が遅れてきたため、私は退散した。全力疾走で。いつも通り、嫌に、いつも通り追いかけてくると話が聞こえたから。夜、1人は心配だと。もういいからやめてほしい。そう思った。そうやって理由沢山つけて、追いかけてこないで。完全に楽器を飲み会の場に忘れた事を忘れて走って先輩や後輩がいる場所まできた。絶対に同級生が話に混ざらない人と会話を始めた頃、同級生が走ってきたのが見えたがそのまま内輪で話続けた。同級生の宿敵の男の子で、入学した時からずっと彼とは反りがあわない子。チャラ男っぽいけど、一途で彼女さんをずっと優先してた人だったから、優しい人である事は太鼓判をおせる。暫くしてカラオケにはいっていったり、2次会に戻ってくれたりして、残ったのは信頼の置ける先輩と後輩のカップルだった。意を決っし、相談した。最後に。やめることを否定しないでいてくれて、よかった。それだけで報われる気分になった。

長く話した後、私は遅れてカラオケに参戦したが、あまりに疲労がたまっていて後輩幹部の子に一部屋睡眠のために借りてもらった。そのまま眠りに落ちて、意識がもちあがると気配があって瞼はとじたままにしていると、会話が聞こえてきて驚いた。いつかの夏好きだった同級生くんはいつのまにか先輩彼女と別れていた、という話だった。その後、俺わかれた人とか恋愛系なった人でも普通に話したいんだけど、向こうかそうしてはくれないんですよね、とか話していてそんなこと思っていたんだなぁとか思った。少し意外で、腹立たしくも感じた。可愛いとか勝手に思っていた私が完全に悪いが、あざとい、とか、偶に心ないな、とか思ってしまった。凄く飄々としていて、好きだけど強かでどこか計算を感じる人だった、とそこで思った。でも、私が寝惚けて財布なくしたと勘違いしたとあわてた時冷静に色々考えてくれたのは嬉しかった。現金な奴なのは私か。