20:34

心狭なったな、と思った。

電車を乗り過ごしてしまい、最終駅まで乗ってしまった。そのお陰で、社会人になった元は仲良かった先輩を駅でみつけてしまった。そこまではよかった。学校にいる間はある人とカップルだった先輩を知っていた。ひどい理由があって分かれた事も知っていた。それでも、私にとって仲の良い先輩だった。分からなくもなかったからだ。唯、どちらの先輩とも仲が良かった私は2人が分かれたことを少し寂しくは感じていた。

しばらくして仲の良かった男性先輩は、私が信頼置く後輩とやっとこさ付きあって、嬉しかった。後輩から話を聞いていたから、ずっと応援していた。だから、よかったのだ、と思っていた。

あるはずのない期待をしてしまっていた。女性先輩が例の私がしらない先輩の幼馴染と仲睦まじく歩いているのを見て、もう帰ってこない日を自覚した。だいぶ、当たり前の光景に目の前が真っ暗になる感覚が体にずしりと響いた。なんでや、なんで。幸せなカップルが二組あるだけだ。なんで、よろこべない。思わず、走りだしそうになるのをこらえて先輩に気付かれない内に駅から逃げだした。

それだけの話。