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好きな人に会ってきた。モデルさんで、人生ではじめて女性のファンになった。基本的には、いろんな人が綺麗だなとか、そんな感じで同級生たちが盛り上がる人もイマイチピンとこなかった。だから、あの人かっこいいよねにも、あの子可愛いよねにも曖昧に、そうだねと返していた。

彼女をミュージックビデオで見てから、不思議な雰囲気に魅了されしばらくたった後、彼女を探した。その年の春に彼女にハマった春休み期間私は、東京に行っていた。偶然にも私が参加したイベントに彼女がスペシャルゲストとしてイベント参加しており遭遇することができた。その時からさらに彼女にはまってずっと好きだ。

今まで、何かにハマることはあっても人にハマることがなかったためようやく、みんなの言う好きな人に対するかっこいいかわいいが理解出来るようになった。遅くなってごめんなさい、と言いたいところ。

そんな彼女に今日はPR大使の仕事終わりに、会ってきた。一対一でゆっくりとおはなしする事が出来て良かった。ただ。彼女は目を凄く見てくるので、吸い込まれそうな綺麗な瞳と好きな人にがっつり見られるというのがあり普段話すことに困らない私も少したじろいだ。素敵すぎるのだ。あまり自分から話すことなく、話すときは小声で大切なことを言うように一音一音が澄んでいて、尚且つ少し距離が遠くなったと思えば突然近くなったり。彼女はTwitterで「遠距離の恋人に合う気分」と言っていた。まさにその通りで、逢瀬のような時間だった。

××です、あれ名字が一緒だね、ああそうなんです、わ~同じ。

えっと、思い残すことはない?大丈夫?

(写真撮るとき)ポーズとかなにか指定ある、?

あ、その傘と色違いの持ってるよ~。

チョコ好き?何味がいい?

ーおすすめはありますか、

…そうだね、いちごとか好き?

透き通った優しい声が何度も問い掛けてくれて、会話ってこんなにドキドキしたものだったっけ、と思った。特別なのは当たり前なのに、引き込まれる。1秒が何千時間みたいで、時間が止まってるみたいに感じた。好きな人といる時間はあっという間にすぎるのが普通だと思っていたのに、恋人たちの逢瀬のような、2人で駆け落ちでもしたかのような錯覚を起こす時間はほぼ永遠みたいだった。ひとつひとつが丁寧で、笑顔はあまりなくとも心地よい空間で。なんだか、素敵すぎる人だと思った。ああいう人になりたい、と憧れが募った。